VectorScript用のエディタ紹介パート2

VectorScriptプログラムを編集するときはVectorworks備え付けのエディタではなく、別にプログラミング用のエディタを使うと便利。コマンドなどのキーワードに色付けしてくれる、いわゆるカラーシンタックス機能が使えるからだ。macOSには「CotEditor」や「mi」がある。Windowsでは「Visual Studio Code」。

今回紹介するのはVisual Studio Codeのカラーシンタックス機能の使い方。標準のVisual Studio CodeでVectorScriptのソースフィアルを開いてもカラーシンタックスは適用されない。VectorScriptの文法は構造化プログラミング言語のPascalをベースにしている。Pascalのカラーシンタックスが適用されれば実用上は大体OKなのだが、こちらも標準ではついていない。

Visual Studio Codeにはあとからカラーシンタックス言語を追加するために、Color Theme(カラーテーマ)をインストールする機能がある。Pascal言語のカラーシンタックスを実現するには、Pascal用のカラーテーマをインストールする。次のURLから簡単にインストールできる。

https://marketplace.visualstudio.com/items?itemName=alefragnani.pascal

このサイトは、ブラウザで「VisualStudio-Code Pascal」で検索、しても出てくる。 

ブラウザ上で「Install」をクリックする。これでVisualStudio Codeが起動してきて、VisualStudio Codeではテーマのページが表示されるのでもう一度「Install」をクリックする。

試してみる。ファイル名に「test.pas」のように「.pas」拡張子をつけてソースを記述して開く。カラーシンタックスが適用される。

Pascal ThemeをインストールしたVisual Studio Codeで開いたVectorScriptのソース

図は「VectorScriptプログラミング入門」に掲載しているコード。

よくみたらエーアンドエー社のサイトにもっと便利なのがあった。こちらはPascalではなくてVectorScript用。

https://www.aanda.co.jp/develop/VS/index.html

Vectorworks の動作環境

Vectorworksの動作環境について、実際にどんなバージョンを開発に使用したかをメモしておく。

たとえば、VW2014以前で実装されているVectorScriptコマンドに旧ダイアログ(Classic Dialogコマンドを使用)が使われていて、それらをModern Dialogに置き換える、ような仕事があったとする。20220405時点では、macOS MojaveのVW2015で開発して、Win7(64bit)のVW2014で最終動作確認する、と効率的だ。

Vectorworks 2014

Windowsでは、Windows7(64bit)またはWindows7(32bit)のいずれも推奨動作環境になっている。

VW2014では動いていたClassic Dialogコマンドは、VW2015以降のVectorScript環境では動かない。古いコマンドを実際に動かしてみて仕様を確認するにはVW2014の環境を用意する必要がある。

Modern Dialog

一方、Modern DialogコマンドはVW2015, VW2014のいずれでもそう変わりはないのでどちらでも動くコマンドを作るのは容易。

macOS

macOSはMojaveがターニングポイントになる。MojaveではVW2015, VW2016, VW2017, VW2020が動いている。Catalina以降ではVW2017は動かない。Catalinaで今使っているのはVW2021。

エンコーディング(文字コード)

VW2018はutf-8で、それ以前はShift-JIS。

64bit/32bit

64bit/32bitの制約もある。VW2016から32bit版がなくなった。エーアンドエー社のサイトには、「Vectorworks2016は64bitアプリケーションです。32bit OSには対応しておりません。」とある。VW2014までは32bitのみ。VW2015は64bitと32bit用のがどちらも用意されていた。

エーアンドエー社の関連サイト:

https://www.aanda.co.jp/Support/sysreq.html

VBScriptでVectorworks 2016を自動実行できない?(解決済み)

あるお客様が、Vectorworks 2016へのバージョンアップに伴って、当社開発のシステム(Vectorworks 2009で最初のバージョンを提供、Vectorworks 2012へはアップグレード済みのシステム、プラグインを含む)をバージョンアップを依頼してきました。このシステムにはVBScriptによる外部からの自動実行機能が含まれていました。ここに含まれているプラグインをVectorworks 2016に対応させて、システムを動作確認したところ、以前から使っていた開発マシンでは正常に動いたのに、お客様のマシンでは動かない、という現象に悩まされました。

実は別件で、やはり当社開発のシステムのバージョンアップ、こちらはVectorworks 2010からVectorworks 2015へのバージョンアップです。こちらでもVBScriptによる自動実行機能が含まれています。

調査したところ、Vectorworks 2013までのバージョンがインストールされている環境では動いてしまうようですが、Vectorworks 2016だけがインストールされている環境では動かないようでした。

A&Aと米Vectorworks社に問い合わせたところ、Vectorworks.tlbファイルが送られてきました。これでVectorworks 2015, 2016でも正常にシステムが動作しました。ちなみにVectorworks 2014も同様の方法で解決できるはずです。

 

Vectorworks関連プログラミングセミナーの報告

「Vectorworks」カスタマイズ関連でプログラミングセミナーを担当しています。これは2014年11月〜2015年5月まで計4回に亘って開催されました。その初回の報告です。

2014年11月7日にA&A社にて開催したAPAスペシャルWebセミナー【プログラミング編】「VectorScriptをはじめよう」の講師を務めました。

 

APA(エーアンドエープロフェッショナルアドバイザー)として、しばらく開催されていなかったプログラミングセミナーを担当することになりました。午前と午後で計40名ほどご参加いただきました。

みなさんには好評でしたが、やはりプログラミングですから、1時間半くらいのセミナーでは説明仕切れない内容です。もっと詳しいことを聞きたいという声をいただきましたので、3回のシリーズで開催することになりました。

当日のスライドはこちらをご覧ください。

Vectorworks2016新製品発表会

Vectorworks2016新製品発表会に行ってきました。
場所は品川グランド、参加者は数百名。
内容は次のとおりです。

司会:塩澤さん
1.SEANさんのお話(英語、木村さんの同時通訳)
2.サーカーさんのお話(英語、木村さんの同時通訳)
3.佐藤さんのお話
4.慶應SFCの池田先生のお話
「マリオネットを使ってみました」というお題でビジュアルプログラミングツールを紹介してくれました。
5.テコデザインの柴田さんのお話
サブディビジョナルサーフェスを紹介してくれました。
6.ポリゴンアーキテクツの山川さん
Renderworksを紹介してくれました。

先生方の新機能の説明とデモがわかりやすかったです。
特にマリオネットは素晴らしいのですが、Fundamentalのライセンスでは利用できません。残念です。

デモ機が展示してありましたので、マリオネットを少し触ってみたところ、ビルトインのモジュールを適当に配置して実行すると「エラー」が表示されます。ソースコードを見るとPythonコードでした。ビルトインのモジュールでもつなぎ方によってはエラーになります。見た目はビジュアルプログラミングですが、中身はこれまでのPythonプログラムと同じでした。マリオネットというのはプログラムモジュールをビジュアルに登録しておける機能、だと思いました。

 Renderworksがバンドルされて価格がアップするものの、VSSの更新料は据え置き、というお得な情報もありました。